今村夏子 ISBN9784022514745

「水をしみこませたタオルをね、頭の上にのせてると、悪い気から守られるの。うちのお父さんとお母さんはそう信じてるんだ」
「……そうか」
「うん」
「……そうか。信じてるのか……」
 新村くんは困ったようにわたしの顔から視線をはずした。わたしは新村くんのことを好きだと思った。
「あんたも?」となべちゃんにきかれた。「信じてるの?」
「わからない」
とわたしはこたえた。